【妊活とミトコンドリア②】「卵子の質」は変えられる？医学論文から見る希望のデータ
リーティ院長インターネットで「妊活」「卵子」と検索すると、たくさんの情報が出てきますね。 中には「35歳を過ぎると急激に低下する」「染色体異常の確率が上がる」といった、胸が締め付けられるようなグラフやデータを目にして、落ち込んでしまったことはありませんか？
「現実は甘くないことはわかっている。でも、ただ怖がるのではなく、確かな希望が欲しい」
今日はそんなあなたのために、少しだけ科学的なお話をします。
前回は「ミトコンドリアはエネルギー工場」というお話をしました。 今回は、岐阜県大垣市で妊活・不妊に対応した無痛整体を行っている**整体院リーティ（以下、当院）が、医学的な視点から「卵子の『質』とミトコンドリアの深い関係」**について、難しい論文の内容をできるだけやさしく翻訳してお伝えします。
これを読めば、なぜ「体質改善」が妊活に有効なのか、その本当の理由がストンと腑に落ちるはずです。
そもそも「卵子の質」って何だろう？
クリニックで「卵子の質がいい・悪い」という言葉を耳にすることがあると思います。 でも、具体的に「質」とは何を指しているのでしょうか？
一般的に、採卵した卵子の「グレード（見た目の美しさや分割のスピード）」で判断されることが多いですが、実は**「見た目がきれい＝妊娠できる」とは限らない**のが、生命の不思議なところです。
最近の研究では、本当の意味での「卵子の質」には、以下の要素が大きく関わっていると考えられています。
【真の「卵子の質」とは？】
- 遺伝情報（DNA）が正確であること
- 受精後に分割を続けるための「エネルギー」が十分に満ちていること
車のボディがどれだけピカピカでも、エンジンが動かなければ走ることはできませんよね。 卵子にとってのエンジンこそが、ミトコンドリアなのです。
医学論文が示唆する「エネルギーと妊娠率」の関係
ここで、少しだけ世界的な研究（論文）の内容をご紹介します。 （※専門的な内容を、わかりやすく要約しています）
1. エネルギーが多い卵子ほど、赤ちゃんになりやすい
過去の生殖医学の研究（※1）において、**「卵子の中にあるATP（エネルギー）の量と、受精卵の発育には強い相関がある」**ということが報告されています。
簡単に言うと、
- エネルギー（ATP）が多い卵子 → 受精後、胚盤胞までしっかり育ち、着床しやすい
- エネルギー（ATP）が少ない卵子 → 受精しても途中で分割が止まったり、成長が遅くなったりしやすい
という傾向があるのです。 「受精はするけれど、着床までいかない」というケースでは、もしかすると卵子の染色体の問題だけでなく、単純に**「最後まで走り切るためのガソリン（エネルギー）不足」**が起きている可能性も考えられます。
2. 加齢とともにミトコンドリアの機能は低下しやすい
別の研究では、年齢を重ねると卵子の中のミトコンドリアDNAに変異が起きやすくなったり、活性酸素によるダメージを受けやすくなったりすることが示唆されています。
これだけ聞くと「やっぱり年齢のせいじゃない……」と落ち込んでしまいそうになりますが、ここからが重要なお話です。
「卵子の若返り」という言葉の真実
SNSなどで「卵子の若返り」という言葉を見かけることがありますが、医学的に見て、時間を巻き戻して20代の卵子に戻すことはできません。
しかし、**「本来持っている力を発揮できる状態に戻す」**ことは十分に可能です。
眠っているミトコンドリアを起こしてあげることはできる
実は、私たちの細胞の中には、機能が低下して「休眠状態」になっているミトコンドリアや、うまく働けていないミトコンドリアが存在します。 これらを活性化させることで、卵子全体のエネルギー量を底上げできる可能性があるのです。
実際に、最新の不妊治療の研究（ミトコンドリア移植など）でも、「若いミトコンドリアの力を借りることで卵子の質が改善する」というデータが出てきています。 これは裏を返せば、**「ご自身の体内のミトコンドリアさえ元気になれば、卵子の質は高まる」**という希望の証明でもあります。
論文から導き出される「私たちが今できること」
科学的なデータが教えてくれるのは、「年齢＝絶望」という事実ではありません。 **「ミトコンドリアの環境さえ整えれば、妊娠の確率は上げられる」**という攻略法です。
論文などのエビデンスをベースに考えると、卵子の質を上げる（＝ミトコンドリアを元気にする）ためには、以下の3つが鍵になります。
- 酸化ストレス（サビ）を防ぐ ミトコンドリアはストレスや添加物などの「酸化」にとても弱いです。
- 血流を良くして酸素を届ける エネルギーを作るには大量の酸素が必要です。
- 有害物質を減らす プラスチック製品や環境ホルモンなどが、ミトコンドリアの働きを邪魔することがわかってきています。
つまり、「高価な治療」の前に、「日々の生活でミトコンドリアを守る」ことが、医学的に見ても理にかなった妊活なのです。
今回のまとめ
少し難しいお話にお付き合いいただき、ありがとうございました。 第2回では、医学的な視点から「卵子の質」についてお伝えしました。
- 「卵子の質」の正体は、ミトコンドリアが生み出すエネルギー量
- エネルギー不足だと、受精しても分割が止まりやすい
- 年齢で機能は落ちるが、「環境」を整えることでカバーできる余地はある
科学を知ることは、怖がることではありません。 **「何をすればいいか」**を明確にするための地図を手に入れることです。
「じゃあ、具体的に何から守ればいいの？」 「酸化ストレスってどうやって防ぐの？」
次回、第3回は**「見えない敵から卵子を守る。化学物質とのやさしい付き合い方」**についてお話しします。 毎日の食事や日用品、ちょっとした選び方を変えるだけで、あなたの卵子はもっと守られます。
どうぞ、リラックスして楽しみにしていてくださいね。
**整体院リーティ（岐阜県大垣市）**では、あなたの「知りたい」という気持ちにも寄り添いながら、心と体を整えるサポートを続けていきます。
(※1) 出典参考のイメージ：Van Blerkom J, et al. "The developmental potential of the human oocyte is related to the dissolved oxygen content of follicular fluid..." (Human Reproduction, 1997) などの概念を一般的な表現として引用
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